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折々の記 2017 ①
【心に浮かぶよしなしごと】

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特別編集 トランプ氏の波紋 その四 【 04 】01/24~
就任後 【 02 】


No.2 トランプ大統領就任以降  その二 (続)
   (1) 朝日新聞・トランプニュース
      ⑬ 7面 トランプ時代の世界、どう見るか 専門家に聞く
      ⑱ 9面 トランプ大統領就任演説〈1〉
      ⑭ 8面 トランプ大統領就任演説〈2〉
      ⑮ 安全保障の「重し」失う恐れ トランプ米大統領就任演説 久保文明・東大教授
      ⑯ 演説に「誇張」「誤認」指摘 米メディアが検証 トランプ大統領就任
      ⑰ 米新政権の主要政策
      ⑲ 10面 (社説)トランプ政権 内向き超大国を憂う
      ⑳ (声)トランプ大統領就任式の現場で
      (21) (声)国のトップに持ってほしい心
      (22) (声)お互いの尊重が大事なのに
      (23) 35面 「米国第一」トランプ政権、揺れる日本
      (24) 【余滴】10面 (社説)施政方針演説 未来を拓くと言うなら
      (25) 【余滴】10面 「声」100年、投稿を募集



No.2 トランプ大統領就任以降  その二(続)
(1) 朝日新聞・トランプニュース
      朝日新聞デジタル 2017年01月22日全面
      http://www.asahi.com/shimen/20170122/index_tokyo_list.html

7面 トランプ時代の世界、どう見るか 専門家に聞く
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759504.html

 ■欧州の崩壊、安保上の懸念 米戦略国際問題研究所(CSIS)所長、ジョン・ハムレ氏

 トランプ政権では、国家安全保障会議(NSC)の重要性がオバマ政権より弱まるだろう。新政権の重心は、閣僚に移る。これは良いことだ。

 国防長官にマティス元海兵隊大将を、国務長官にティラーソン氏を起用したのは好判断だ。トランプ氏を支持しなくても、彼らのために働きたい人はいる。マティス氏は読書家で天性の指導者。ティラーソン氏も(実業家として)プーチン大統領をよく知っているが、それは彼に対して寛大だということを意味しない。

 トランプ政権はロシアとの関係改善を主張しているが、議会共和党の大半はプーチン氏やロシアを敵と見なしている。議会との間で深刻なあつれきが生じるだろう。トランプ氏の裁量は限定的だ。もし、彼がロシアへの制裁を解除しても、議会が1週間以内に元に戻すだろう。

 ロシアとの核軍拡競争も示唆したが、国防総省は核兵器の唯一の使い道は、核抑止だと捉えている。トランプ氏が望んでも軍拡できるわけではない。

 (オバマ政権のアジア重視政策で)欧州でなく、アジアが米国史上初めて最重要視された。この方針は変わらないだろう。中国の台頭を考えた時、米国がアジアに軍を駐留させるのは重要なことだ。トランプ氏は日本がさらに経費を負担しなければ、撤退すると発言している。韓国に対しても同じだ。

 彼は問題を理解することなく発言している。トランプ氏は、米国が日本を救うためだけに米軍を駐留させているとの印象を与えているが、それは真実でない。米国の防衛のためでもある。これまで以上に日本との同盟が必要だ。環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱は大きな悲劇だ。TPPは単なる貿易協定以上に重要で、アジアで協力するための基準を確立するものだ。離脱すべきではない。

 ただ安全保障上の最大の懸念は、中国でもロシアでもなく、欧州の崩壊だ。米国は主要な国際問題で常に欧州をパートナーと見なしてきた。欧州がパートナーでなければ、欧州連合(EU)内が分断され、弱体化する。トランプ氏は考えたこともないかもしれないが、これが我々が直面する最大の問題だ。

 トランプ氏は「米国第一主義」を掲げているが、懸念は、彼が人生で、戦略的に物を考えたことがないということだ。世界が望む戦略は、「米国を再び偉大な国にする」とツイートするだけではできない。米国は、もはや他国の助けなしで世界一になれない。そのためには同盟が必要なのだ。

 (聞き手・佐藤武嗣、坂尻信義)

 ■TPP実現、まだ十分可能 米ピーターソン国際経済研究所(PIIE)名誉所長、フレッド・バーグステン氏

 現時点では、トランプ大統領が実際に何をやるかはまだわからない。財政刺激策など、世界経済を助けることも多く言っているが、貿易や移民政策では大きな損害を与える政策も主張している。米国の制度には、多くのチェック・アンド・バランス(抑制と均衡)がある。共和党が議会で多数派だが、全てトランプ氏に賛成するわけではない。市場、他国からの制約もあり、見極めが必要だ。

 米国の世界での優位性は、この数十年、ゆっくり低下している。それは米国の弱さというより、新しい勢力が台頭し、世界経済、政治の力が分散しているからだ。「パックスアメリカーナ(米国による平和)」という言葉は、米国の優位性だけによるものではなく、日本や欧州などの同盟国との協力関係が十分強いものになっているからだ。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の実現は、まだ十分可能だと考える。オバマ前大統領は、中国にアジアで自由な手綱を得させないという外交政策上の理由から、TPPへの参加を決めた。トランプ氏は、明らかに中国を主要なライバル、もしくは脅威と見ている。両者のスタートラインはとても似ている。

 またトランプ氏が掲げる政策の実行には、議会の共和党幹部の協力が必要だ。そのためには、TPPを支持する彼らの要求にも応じる必要がある。

 トランプ氏は、日本が重要な同盟国だと理解するだろう。外交や国際関係の知識が少ない分、歴代の多くの大統領よりも主要な同盟国の影響を受けやすいのかもしれない。安倍(晋三)首相が他国の首脳に先駆けてトランプ氏と会談したのは喜ばしい。日本はトランプ氏を、より建設的な方向に導く重要な国の一つになりうる。

 ただトランプ氏が最後までTPPに反対し続け、日米の二国間協定を提案した場合には、真剣に検討すべきだ。北米自由貿易協定(NAFTA)は、1980年代後半の米カナダの二国間協定から始まった。欧州連合(EU)も50年代初めの独仏の二国間協定から始まった。二国間協定を強いられても、多国間協定の可能性は消えない。

 トランプ氏は貿易赤字を減らすと主張するが、彼が掲げる政策は貿易赤字を相当増やすだろう。赤字削減のために保護貿易的な政策への誘惑に駆られるだろうが、他国からの報復措置や米国経済への悪影響があるため、機能しないと遅かれ早かれ気づく。最終的には、(ドル安を招いた)プラザ合意の第2弾のような、為替政策で何らかの行動に出る可能性も十分ある。

 (聞き手・五十嵐大介)

 ■日本、大所高所から訴えを キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦氏

 トランプ氏の演説からは、まだ選挙キャンペーンを続けているという印象を受けた。米国の新大統領は本来、自由や民主主義、アメリカンドリームなど格調高い演説をするはずなのに、彼はそうしたことへの関心はなさそうだ。

 トランプ氏は、これからさまざまな困難に直面するだろう。経済では、減税、インフラへの投資、エネルギーが彼の目玉政策だと思っていたが、具体的な方向性が見えてこない。

 これまでマーケットはご祝儀相場で上がっていたが、今後は具体的な政策を打ち出してマーケットと対話しないと、うまくいかないだろう。「米国内に工場を持ってくるべきだ」とツイートして介入したが、経済原理に基づかない投資が長続きするはずはなく、いずれは破綻(はたん)するだろう。

 外交安全保障分野では、残念ながら、新政権の人材は寄せ集めだ。例えば対中政策では、中国の核心的利益である「一つの中国」原則を使って取引しようとするなど、素人の議論がまかり通っており、非常に危うい。

 対ロ政策でも、「ロシアと組んで『イスラム国』(IS)をやっつけよう」などと言っているが、ロシアは「では、クリミア併合に伴う対ロ経済制裁をチャラにしよう」といった交渉に持ち込むだろう。安全保障に疎いトランプ氏は譲歩してしまう恐れがある。

 トランプ氏を生み出したのは、米国内における「ダークサイド」だ。白人労働者層の生活が苦しくなり、排外主義、ナショナリズム、ポピュリズムが結びついて生まれた「破壊願望」といった意味だ。英国の欧州連合(EU)離脱や独仏での排外主義の台頭など、世界規模で同じことが起きつつある。

 日本では幸いなことにダークサイドは封じられている。日本の重要な役割は、自由貿易や民主主義の重要性などを大所高所から訴えることだ。安倍晋三首相は主要7カ国(G7)の中でも長期政権で、実績もある。トランプ氏に「同盟国あっての米国の偉大さであり、同盟国を大事にするべきだ。孤立すれば米国は偉大ではなくなる」と言えるかもしれない。

 日本にとって日米同盟が基軸であることは変わらない。だが、在日米軍の駐留経費を全額負担してしまえば、在日米軍は「傭兵(ようへい)」になってしまう。防衛費の増額要求も予想されるが、安倍政権としては安全保障上の脅威をしっかりと認識しており、以前より防衛費を増額している。もはや米国の外圧で何かをするという時代ではない。

 (聞き手・園田耕司)

 ■台湾問題、中米断交も覚悟 清華大学国際関係研究院副院長・趙可金氏

 これまでの台湾問題や南シナ海問題などへのトランプ大統領の発言は政治家というより、米国のビジネスマンか庶民の発言のようだった。ホワイトハウスに入ってからどうなるか。彼の言動を注視していく。

 トランプ氏は就任前、(中国と台湾は一つの中国に属するという)「一つの中国」政策に疑問を投げかけた。台湾の主権は中国には絶対に譲れない一線だ。もし彼が「一つの中国」に手を出せば、中国には米国と断交する覚悟がある。中国は恐れずに腕力を振るう。台湾は平和的発展を望み、独立は望んでいないという。だが、もし別の道を歩むなら中国は動く。

 ただ、米国はトランプ氏一人だけではない。多元的な国家だ。今後の米中関係の変化はあまり大きくないと思う。両国の共通利益は大きいからだ。

 米国のボーイング社の輸出の2割は中国向け。米国の大豆など農産品も中国向けが多い。中国からの輸出品も米国の庶民生活になくてはならないものだ。貿易戦を挑むなら挑めばいい。例えば中国が米農産品の輸入を止めれば、米国は困るだろう。「米国を再び偉大にする」と言うのなら、中国の市場こそ必要だ。中国市場を失えば、米国にどれだけ損害が出るか。どれだけ雇用が減るか。

 中国は米国と断交したとしても、天が崩れ落ちることはない。2012年以降、中国は周辺国や、アジアから欧州に至るシルクロード経済圏構想「一帯一路」の沿線国家を外交の重心に置く戦略を取り、関係国との貿易に力を入れている。

 今後の中米外交はビジネスマン的な方法で解決することが多くなるだろう。最近、中国のネット通販最大手「アリババグループ」の馬雲(ジャック・マー)会長と会談したトランプ氏は積極的に馬氏を評価した。米国経済にどんなメリットがあるか、それはコストに見合うのか。トランプ氏とのつきあい方はそうした形が主流になる。

 対米関係での一定の緊張感は中国に利もある。世界最強国が圧力をかけているとなれば、ばらばらだった民心を団結させることができる。外圧があれば中国人は団結する。一定の外圧は、今年党大会を開く共産党にプラスに働く。

 (聞き手・西村大輔)

 ■米中ロが世界を指導か カーネギー国際平和財団モスクワセンター所長、ドミトリー・トレーニン氏

 トランプ氏は、米国中心のグローバリズムで割を食っていると感じている人々、米国が担ってきた帝国的な役割にうんざりしている人々に支えられている。

 従って、誰よりもトランプ氏の登場に脅かされているのは、従来の同盟国だ。トランプ氏は、米国が自動的に同盟国を守ることはしないと言っている。守るからには米国が何かをもらわなくてはいけない、という相互関係を求めている。

 冷戦後、世界を指導していたのは唯一米国だった。しかしトランプ氏の下で、何らかの集団指導体制に移行していく可能性がある。核となり得るのは米国、中国、ロシアだ。これはロシアにとって望ましい世界だと言える。日本や欧州は地域的な役割にとどまるだろう。

 ただ、すぐに集団指導体制が実現するわけではない。中国、ロシアと米国の関係も、協調よりも競争が前面に出てくるだろう。

 特にトランプ氏は、中国を最強の競争相手だと考えている。中国は米国から巨額の利益を得ているのに、米国は何も得ていない。米国のこれまでの政権は譲りすぎた。終止符を打たねばならない、というわけだ。そのための道具に使っているのが台湾だ。トランプ氏が蔡英文・台湾総統と電話で話したのは、中国とのパワーバランスを変えたいからだ。南シナ海でも、米国に有利に状況を変えようとするだろう。

 一方、トランプ氏はロシアのことは大きな問題だとは考えていない。だがトランプ氏が主張しているイランの核合意の破棄をロシアは認めることはできない。仮に北朝鮮を攻撃すると言い出したとしても、反対だ。実際にどうなるかは分からないが、トランプ氏は予見不可能な大統領であり、米国は内政も外政も予見不可能な国になった。これは歴史上初めてのことだ。

 一連のサイバー攻撃問題で、ハッカーが誰だったかは知らないが、得られた情報をロシアが米国でのプロパガンダに使ったことは明らかだ。だが問題の本質は、それを米国の政治エリートが民主主義にとって致命的な脅威だと受け止めたことだ。彼らがいかに自信を失ったかを示している。

 (聞き手・駒木明義)



9面 トランプ大統領就任演説〈1〉
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759600.html

 ■ワシントンから権力を移し、皆さんに戻す

Chief Justice Roberts, President Carter, President Clinton, President Bush, President Obama, fellow Americans, and people of the world: thank you.

We, the citizens of America, are now joined in a great national effort to rebuild our country and restore its promise for all of our people.

Together, we will determine the course of America and the world for many, many years to come.

We will face challenges. We will confront hardships. But we will get the job done.

Every four years, we gather on these steps to carry out the orderly and peaceful transfer of power, and we are grateful to President Obama and First Lady Michelle Obama for their gracious aid throughout this transition. They have been magnificent. Thank you.

Today's ceremony, however, has very special meaning. Because today we are not merely transferring power from one Administration to another, or from one party to another ―― but we are transferring power from Washington, D.C. and giving it back to you, the People.

For too long, a small group in our nation's Capital has reaped the rewards of government while the people have borne the cost.

Washington flourished ―― but the people did not share in its wealth.

Politicians prospered ―― but the jobs left, and the factories closed.

 ロバーツ連邦最高裁長官、カーター大統領、クリントン大統領、ブッシュ大統領、オバマ大統領、国民の皆さん、そして世界中の皆さん、ありがとう。

 私たち米国民は今、自国を再建し、全ての国民にとって可能性をよみがえらせる壮大な国民的取り組みのために、一つにまとまっています。

 私たちはともに、将来の米国と世界の針路を決めるのです。

 私たちは試練に直面するでしょうし、困難にも突き当たるでしょう。しかし、やり抜きます。

 4年に一度、私たちは整然と平和的な権力移行を行うためこの場所に集います。この移行の過程でオバマ大統領とミシェル大統領夫人からいただいた親切な助力に感謝します。2人は、本当に素晴らしかったです。ありがとう。

 しかし、今日のセレモニーには特別な意味があります。なぜなら、単にある政権から別の政権に、あるいはある党から別の党に権力を移行するだけではないからです。私たちは、首都ワシントンから権力を移し、国民の皆さんに戻すのです。

 あまりに長い間、この国の首都の小さな集団が政府からの恩恵にあずかる一方、国民はそのつけを背負わされてきました。

 ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした。

 政治家は豊かになりましたが、職は失われ、工場も閉鎖されました。

 ■既得権層は己を守り、市民は守らなかった

The establishment protected itself, but not the citizens of our country.

Their victories have not been your victories; their triumphs have not been your triumphs; and while they celebrated in our nation's Capital, there was little to celebrate for struggling families all across our land.

That all changes ―― starting right here, and right now, because this moment is your moment: it belongs to you.

It belongs to everyone gathered here today and everyone watching all across America.

This is your day. This is your celebration.

And this, the United States of America, is your country.

What truly matters is not which party controls our government, but whether our government is controlled by the people.

January 20th 2017, will be remembered as the day the people became the rulers of this nation again.

The forgotten men and women of our country will be forgotten no longer.

Everyone is listening to you now.

You came by the tens of millions to become part of a historic movement the likes of which the world has never seen before.

At the center of this movement is a crucial conviction: that a nation exists to serve its citizens.

Americans want great schools for their children, safe neighborhoods for their families, and good jobs for themselves.

These are just and reasonable demands of righteous people and a righteous public.

But for too many of our citizens, a different reality exists: Mothers and children trapped in poverty in our inner cities; rusted-out factories scattered like tombstones across the landscape of our nation; an education system, flush with cash, but which leaves our young and beautiful students deprived of all knowledge; and the crime and the gangs and thedrugs that have stolen too many lives and robbedour country of so much unrealized potential.

This American carnage stops right here and stops right now.

 既得権層は己の身は守りましたが、我が国の市民は守りませんでした。

 彼らの勝利は、皆さんの勝利ではありませんでした。彼らの大成功は、皆さんの大成功ではありませんでした。そして彼らが首都で祝っているとき、私たちの国のいたる所で苦しんでいる家族にとって喜ぶことはほとんどありませんでした。

 それらはすべて変わります。この場所から、今すぐに。なぜならこの瞬間は、皆さんの瞬間であり、皆さんのものだからです。

 今日ここに集まったすべての皆さんのものであり、米国全土で見ている人たち全員のものです。

 今日は皆さんの日です。皆さんのお祝いです。

 そして、アメリカ合衆国は皆さんの国です。

 本当に大事なことは、どの党が政権を握るかではなく、国民によって政府が支配されているかどうかということです。  2017年1月20日は、国民が再びこの国の支配者となった日として記憶されるのです。

 私たちの国で忘れ去られていた男性、女性は、もう忘れられた存在ではありません。すべての人々が皆さんに耳を傾けています。

 何千万もの皆さんが、世界がかつて目撃したことがないような歴史的な運動の一部になったのです。

その運動の中心にはとても大切な信念があります。国家は市民に奉仕するためにあるということです。

 米国民は、子どもたちのために素晴らしい学校を求めています。家族のために安全な地域を、そして、自分たちのために良い仕事を。

 そうしたことは、まっとうな市民の公正で理にかなった要求です。

 しかし、とても多くの市民にとっては、違った現実が存在しています。荒廃した都市部では貧困の中に閉じ込められた母子たちがいます。さび付いた工場群が、まるで墓石のように私たちの国土の風景のあちこちに広がっています。教育制度には、潤沢な資金があるのに、若く、光り輝く生徒は、あらゆる知識を得られないでいます。犯罪と悪党と麻薬によってあまりに多くの命が失われ、私たちの国からまだ実を結んでいない多くの潜在力を奪っています。

 こうした米国での殺戮(さつりく)は、ここで、今すぐ終わりとなります。

 《The forgotten men and women of our country will be forgotten no longer》

 「忘れられた人たち」は、トランプ氏が昨年7月の共和党大会の指名受諾演説でも使った言葉。その時は「私があなたの声になる」と続けたが、今回は「もう忘れられた存在ではない」と述べた。

    ◇

 《This American carnage stops right here and stops right now》

 「carnage」は「殺戮(さつりく)の後の惨状」といった意味で、「死屍累々(ししるいるい)」に近い。戦場などの表現に使われる極めて強い言葉。トランプ氏は直前に都市部の貧困や、犯罪・麻薬の蔓延(まんえん)に触れ、「悲惨な状況にある米国」を描いた。今回の演説を象徴する言葉として、米メディアも注目している。

 ■この日から、「米国第一」だけになるのです

We are one nation ―― and their pain is our pain. Their dreams are our dreams; and their success will be our success. We share one heart, one home, and one glorious destiny.

The oath of office I take today is an oath of allegiance to all Americans.

For many decades, we've enriched foreign industry at the expense of American industry;

Subsidized the armies of other countries while allowing for the very sad depletion of our military;

We've defended other nation's borders while refusing to defend our own;

And spent trillions and trillions of dollars overseas while America's infrastructure has fallen into disrepair and decay.

We've made other countries rich while the wealth, strength, and confidence of our country has dissipated over the horizon.

One by one, the factories shuttered and left our shores, with not even a thought about the millions and millions of American workers that were left behind.

The wealth of our middle class has been ripped from their homes and then redistributed all across the world.

But that is the past. And now we are looking only to the future.

We assembled here today are issuing a new decree to be heard in every city, in every foreign capital, and in every hall of power.

From this day forward, a new vision will govern our land.

From this day forward, it's going to be only America First. America First.

 私たちは一つの国家であり、他人の痛みは自らの痛みです。他人の夢は自らの夢です。そして他人の成功は自らの成功になります。私たちは一つの心を、一つの故郷を、そして一つの輝かしい運命を共有するのです。

 今日の私の宣誓は、全ての米国民への忠誠の誓いです。

 何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました。

 自国の軍隊の悲しむべき疲弊を許しておきながら、他国の軍を援助してきました。私たち自身の国境を守ることを拒否しながら、他国の国境を防衛してきました。そして、米国のインフラが荒廃し、劣化する一方で、何兆ドルも海外につぎ込んできました。

 私たちの国の富、強さ、自信が地平線のかなたに消えていったさなかに、私たちは他国を裕福にしてきたのです。

 一つずつ工場がシャッターを閉め、海外へ流出していったのに、取り残された何百万人もの米国人労働者のことは一顧だにされませんでした。

 私たちの中流階層の富は、彼らの家から引きはがされ、世界中にばらまかれたのです。

 しかし、それは過去の話です。今、私たちは将来だけを見ているのです。

 私たちはここに集まり、新たな宣言をします。それは、すべての都市、すべての外国の首都、すべての権力層の耳に届くのです。

 この日から、新たなビジョンが私たちの地を統治します。

 この日から、「米国第一」だけになるのです。米国第一です。

 《From this day forward, it's going to be only America First. America First》

 「米国第一」は、選挙期間中からトランプ氏が強調してきた。歴史的には、第2次世界大戦の前に孤立主義を唱え、「米国が欧州の戦争に加わるべきではない」などと主張したチャールズ・リンドバーグ氏らが使った言葉。差別に通じるなどとして、ユダヤ系団体が使わないよう求めてきたが、就任演説でも中心的な言葉となった。

 ■雇用を、国境を、富を、そして夢をも取り戻す

Every decision on trade, on taxes, on immigration, on foreign affairs, will be made to benefit American workers and American families.

We must protect our borders from the ravages of other countries making our products, stealing our companies, and destroying our jobs. Protection will lead to great prosperity and strength.

I will fight for you with every breath in my body ―― and I will never, ever let you down.

America will start winning again, winning like never before.

We will bring back our jobs. We will bring back our borders. We will bring back our wealth. And we will bring back our dreams.

We will build new roads, and highways, and bridges, and airports, and tunnels, and railways all across our wonderful nation.

We will get our people off of welfare and back to work ―― rebuilding our country with American hands and American labor.

We will follow two simple rules: Buy American and Hire American.

We will seek friendship and goodwill with the nations of the world ―― but we do so with the understanding that it is the right of all nations to put their own interests first.

We do not seek to impose our way of life on anyone, but rather to let it shine as an example. We will shine for everyone to follow.

 貿易、税金、移民、そして外交問題に関するすべての決定が、米国の労働者や米国民の利益になるようにします。

 私たちの製品をつくり、私たちの企業を奪い、雇用を破壊する他国の行為から、私たちは国境を守らなければなりません。防御が、大いなる繁栄と強さをもたらすのです。

 私は、息の続く限り皆さんのために戦い続けます。そして、皆さんを決してがっかりさせません。

 米国は再び勝利に向かいます。これまでにないほどにです。

 私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは、富を取り戻します。そして、私たちは夢をも取り戻すのです。

 私たちは、この素晴らしい国全土に、新しい道路、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を建設します。

 国民を福祉頼みから脱却させて、仕事に戻れるようにします。米国人の手で、そして米国人の働きで国を立て直すのです。

 私たちが守るのは二つの単純なルールです。米国製品を購入し、米国人を雇用するということです。

 私たちは世界中の国々との友好と親善を求めます。しかし、私たちがそうするのは、すべての国々が自己の国益を第一に考える権利があるという理解のもとにです。

 私たちは、米国の生き方を誰にも無理強いしようとはしません。むしろ、模範として光を放つようにしたいのです。私たちは、だれもの手本になるように光を放ちます。

 《We must protect our borders from the ravages of other countries》

 「ravages」は他国が米国を荒らし、侵害しているという意味。「carnage」と並んで、米国が悲惨な状況に陥っていると強調するフレーズだった。

    ◇

 《shine as an example. We will shine for everyone to follow》

 トランプ氏が他国に向けて「模範として光を放つ」と語った部分は、レーガン氏の1981年の「我が国は再び自由の模範となり、自由を得ていない人々にとって希望の灯となる」という言葉と重なる。



8面 トランプ大統領就任演説〈2〉 【9面から続く】
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759562.html

 ■米国は団結すれば、誰にも止められない国に

We will reinforce old alliances and form new ones ―― and unite the civilized world against Radical Islamic Terrorism, which we will eradicate completely from the face of the Earth.

At the bedrock of our politics will be a total allegiance to the United States of America, and through our loyalty to our country, we will rediscover our loyalty to each other.

When you open your heart to patriotism, there is no room for prejudice.

The Bible tells us, “how good and pleasant it is when God's people live together in unity."

We must speak our minds openly, debate our disagreements honestly, but always pursue solidarity.

When America is united, America is totally unstoppable.

There should be no fear ―― we are protected, and we will always be protected.

We will be protected by the great men and women of our military and law enforcement and, most importantly, we will be protected by God.

Finally, we must think big and dream even bigger.

In America, we understand that a nation is only living as long as it is striving.

We will no longer accept politicians who are all talk and no action ―― constantly complaining but never doing anything about it.

The time for empty talk is over.

Now arrives the hour of action.

 私たちは従来の同盟を強化し、新しい同盟を結びます。文明世界を結束させて過激なイスラムのテロリズムに立ち向かい、地球上から撲滅します。

 私たちの政治の基盤を成すのは、アメリカ合衆国への完全な忠誠です。そして、国に対する忠誠を通じて、私たちは互いへの忠誠を再び見いだすのです。

 愛国主義に心を開けば、偏見の入る余地はなくなります。

 聖書は私たちに、「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」と教えてくれます。

 私たちは心を開いて自らの考えを述べ、違った意見と率直に議論しながらも、いつも結束を追求しなければなりません。

 米国は団結すれば、誰にも止められない国になります。

 恐れることはありません。私たちは守られているし、常に守られていくでしょう。

 私たちは偉大な軍隊や法執行機関によって守られていくでしょう。そして、最も重大なのは、私たちは神から守られているということです。

 最後に、私たちは大きなことを考え、より大きなことを夢見なければいけません。

 米国では、私たちは国が頑張っている時だけ、国が存在し続けると理解しています。

 私たちは口先だけで、何も行動しない政治家はもう受け入れないでしょう。絶えず文句を言いながら、そのことに対処しない人たちです。

 中身のない話をする時間はおしまいです。

 行動する時がやってきました。

 《unite the civilized world against Radical Islamic Terrorism, which we will eradicate completely from the face of the Earth》

 トランプ氏は以前から、オバマ氏が「Radical Islamic Terrorism(過激なイスラムのテロリズム)」という言葉を使わないと批判し、テロが続く一因となっていると主張してきた。就任演説ではあえてこの言葉を使い、「地球上から撲滅する」と宣言した。

    ◇

 《how good and pleasant it is when God's people live together in unity》

 旧約聖書詩編133からの引用。「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」(日本聖書協会訳)

    ◇

 《politicians who are all talk and no action ―― constantly complaining but never doing anything about it》

 トランプ氏は就任式を前に、公民権運動の英雄であるジョン・ルイス下院議員から「正統な大統領と思っていない」と批判された際、「言葉だけで行動が伴わない」と返していた。演説でも同じフレーズを使い、「何も行動しない政治家」は必要ないと訴えた。

 ■ともに、再び米国を偉大な国にするのです

Do not allow anyone to tell you that it cannot be done. No challenge can match the heart and fight and spirit of America.

We will not fail. Our country will thrive and prosper again.

We stand at the birth of a new millennium, ready to unlock the mysteries of space, to free the Earth from the miseries of disease, and to harness the energies, industries and technologies of tomorrow.

A new national pride will stir our souls, lift our sights, and heal our divisions.

It's time to remember that old wisdom our soldiers will never forget: that whether we are black or brown or white, we all bleed the same red blood of patriots, we all enjoy the same glorious freedoms, and we all salute the same great American Flag.

And whether a child is born in the urban sprawl of Detroit or the windswept plains of Nebraska, they look up at the same night sky, they fill their heart with the same dreams, and they are infused with the breath of life by the same almighty Creator.

So to all Americans, in every city near and far, small and large, from mountain to mountain, from ocean to ocean, hear these words:

You will never be ignored again.

Your voice, your hopes, and your dreams, will define our American destiny. And your courage and goodness and love will forever guide us along the way.

Together, We Will Make America Strong Again.

We Will Make America Wealthy Again.

We Will Make America Proud Again.

We Will Make America Safe Again.

And, Yes, Together, We Will Make America Great Again. Thank you, God Bless You, And God Bless America.

 それは無理だ、とは誰にも言わせてはいけません。米国の心や闘争心、精神を超える試練はありません。

 私たちは失敗しません。この国は再び繁栄し、豊かになります。

 私たちは新たな時代の幕開けにいます。宇宙の謎を解き、地球を疫病の悲劇から救い、明日の新たなエネルギー、産業、技術を活用する時です。

 この国の新たな誇りは、私たちの魂を奮い立たせ、前を向かせ、分断を癒やします。

 我が国の軍人が決して忘れることのない古い教えを思い出しましょう。肌の色が黒でも褐色でも白であっても、私たちには同じ愛国者の赤い血が流れているということです。私たちは皆、この輝かしい自由を謳歌(おうか)し、みな同じ、偉大な星条旗に敬礼します。

 無計画に広がるデトロイト市街に生まれた子どもでも、ネブラスカの風吹きすさぶ大地に生まれた子どもでも、同じ夜空を眺め、同じ夢で胸を満たし、同じ神から命の息を吹き入れられるのです。

 街の場所や街の規模の大小を問わず、山から山、海から海に至る、あらゆる場所に暮らす全ての米国人の皆さん。この言葉を聞いてください。

 皆さんは、もう決して見放されることはありません。

 皆さんの声、希望、夢は、米国の運命を決めます。皆さんの勇気、慈悲、そして愛が、永遠に私たちを導いてくれます。

 ともに、私たちは再び米国を強くするのです。

 再び米国を裕福にするのです。

 再び米国を誇り高い国にするのです。

 再び米国を安全にするのです。

 そして、そう、ともに、再び米国を偉大な国にするのです。ありがとう。皆さんに神のご加護を。米国に神のご加護を。

 《We Will Make America Strong Again. We Will Make America Wealthy Again. We Will Make America Proud Again. We Will Make America Safe Again. And, Yes, Together, We Will Make America Great Again》

 選挙スローガンの「アメリカを再び偉大にする」で演説を締めくくるのは、昨年7月の党大会とほぼ同じだった。就任演説では「アメリカを再び裕福にする」という一文が加わった。



安全保障の「重し」失う恐れ トランプ米大統領就任演説 久保文明・東大教授
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759564.html

 ■久保文明・東大教授(米国政治)

 トランプ大統領の就任演説は、国際秩序への関与について、ほとんど触れなかった。「過激なイスラムのテロリズムを地球上から撲滅する」と、テロとの戦いに一言、触れた程度だ。これほど内向きで孤立主義的な演説をした米国の大統領は第2次大戦後、初めてではないか。

 1961年に就任演説をしたジョン・F・ケネディ大統領は、自由主義陣営のリーダーとして冷戦を勝ち抜くことに焦点を当て、内政には一言も触れなかった。今回の演説はその全く逆。ポピュリズムに寄りかかり、内向きになりたい有権者に向けた強いメッセージで、まるで選挙戦の延長のようだった。

 これまで、歴代大統領は国際秩序を維持することを前提に行動してきたし、就任演説で、同盟国を安心させるようなメッセージを発してきた。

 ところが今回は、「私たち自身の国境を守ることを拒否しながら、他国の国境を防衛してきた」とこれまでの政治家を批判。米国は他国を守る一方で、自国を守ってこなかったと主張した。不法移民の流入を念頭に置いているのだろうが、日本、韓国、北大西洋条約機構(NATO)諸国などに対しての「米国負担を少なくしないと、今の同盟関係は成り立たない」という含意もあるだろう。同盟国に安心ではなく、警告を与える、驚くべき演説だ。

 そして、繰り返し強調したのが、「米国第一」主義。人権問題や安全保障の脅威についてはほとんど語らず、判断軸は米国が「もうかるか」だけ、という非常に一次元的な世界観がにじんだ。

 そういう感覚だと、たとえば中国が通商面で譲歩をした時に、トランプ政権が安全保障の大事なところを譲る、といった普通はあり得ないような取引をする可能性も捨てきれない。(中国が軍事拠点化を進める)南シナ海での「航行の自由作戦」は、米国しかできない。この演説を聴き、米国という安全保障上の「重し」が失われるのではないかと、不安に思っている国は多いのではないか。

 従来の国際政治の感覚を持った閣僚らが外交の実権を握るのであれば、実際には、この演説で示されたほどの方針転換はないかもしれない。しかし、もし彼が直接外交をコントロールするのであれば、これまでとは異次元の、未曽有の不確実性が世界に生じる。そう実感させられる演説だった。

 (聞き手・守真弓)



演説に「誇張」「誤認」指摘 米メディアが検証 トランプ大統領就任
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759563.html

 トランプ氏は演説で「殺戮(さつりく)」という言葉を用いて、米国内が悲惨な状況に陥っていると主張した。選挙期間中に支持を獲得してきた発言と重なるが、米メディアからは「誇張」や「誤認」の指摘も出ている。

 ニューヨーク・タイムズは複数の記者が演説内容を分析。「殺戮」という表現については犯罪率が長期低下の傾向にあり、「米国はこの何世代かで最も安全」と指摘。「何十年もの間、私たちは米国の産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました」のくだりは「米大企業は、グローバリゼーションから多大な利益を得てきた。苦しんできたのは労働者だ」と述べた。

 一方、「ワシントンは栄えましたが、国民はその富を共有しませんでした」という部分は、米国の多くが経済的に停滞するなか、首都周辺は最も繁栄している場所の一つであり、「文字通り正しい」とした。

 ワシントン・ポストは「一般的には就任演説にはそぐわないが、トランプ氏の演説は独特なため」と前書きして「ファクトチェック(事実確認)」を掲載。「自国の軍隊の悲しむべき疲弊」の発言は、米軍が世界最強であることは疑いがなく「過度の誇張だ」とし、「他国の軍を援助してきました」との部分は国防予算(5千億ドル超)に比べれば、海外の米軍基地の維持費は「わずか」とした。

 AP通信も「私たちの国の富、強さ、自信が地平線のかなたに消えていった」との主張について、失業率が4・7%(昨年12月)に下がっているなどのデータを示し、「米経済は、より健全」とした。ただ、「さび付いた工場群が、まるで墓石のように」広がるという描写は「中国やメキシコとの競争で工場を失った地域では、真実として響く」とも指摘。失業率低下の背景には、仕事を探すことすらやめてしまっている人たちがいる状況も踏まえた。

 (玉川透、ワシントン=中井大助)

 ■「トランプ節」起草に31歳スピーチライター

 大統領の就任演説は、任期を象徴する重要なメッセージだ。トランプ氏も、自身の言葉であることを強調し、ノートとペンを持って机に向かっている写真をツイッターで発信していた。

 ただ、米メディアによると側近も起草に関わっており、中心となったのはこれまでスピーチライターとして活躍してきたスティーブン・ミラー氏(31)。即興で話すことを好むトランプ氏の「声」を最も上手に草稿で表現する側近として信頼されている。ミラー氏は学生時代から保守コメンテーターとして名を上げていた。次期司法長官に任命されたセッションズ上院議員のスタッフとして7年間勤務した。トランプ氏が昨年7月に共和党大会で行った演説も、ミラー氏が作成の中心だったという。「忘れられた人たち」に向けた「私はあなたたちの声になる」という訴えは、当選の原動力の一つにもなった。

 (ワシントン=中井大助)



米新政権の主要政策
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759561.html

 米トランプ政権は発足初日、外交や貿易など6項目からなる主要政策を発表した。主な内容を紹介する。

 ■エネルギー 気候変動対策撤廃

 エネルギーの低価格化と、国産資源の活用で輸入原油への依存をなくす。(オバマ政権での)気候変動行動計画や水資源保護などの不必要な政策を撤廃し、労働者の賃金を7年間で300億ドル(約3兆4千億円)以上増やす。未開発のシェールガスや石油など50兆ドル(約5700兆円)の利益の活用を図り、道路や学校などインフラ整備を推進する。  エネルギーの国産化は、国家安全保障にもつながる。対テロ戦略の一環としてペルシャ湾岸の同盟諸国と協力する。きれいな空気と水を守り、自然の生息環境を守る。

 ■対テロ サイバー戦略実行

 米国の国益と安全保障を最重視する。「力による平和」を外交政策の基本とし、紛争の少ない安定した平和な世界を実現する。

 過激派組織「イスラム国」(IS)や他のイスラム過激主義のテロ組織壊滅が最優先だ。必要に応じ、(他国と)連合を組んで軍事作戦を遂行する。テロ組織の資金源を断ち、プロパガンダや勧誘活動を阻止するため、各国と協調してサイバー戦略を実行する。我々が敵を求めて海外に出て行くことはない。昔の敵が友人となり、昔の友人が同盟国になれば、我々は常に幸せとなる。

 ■景気 年4%成長へ減税

 2008年の不況以来、米国は30万人近い製造業の雇用を失い、国民に占める労働人口の割合は1970年代以来で最低水準に落ち込んだ。トランプ大統領は10年間で2500万人の雇用を創出し、年4%の成長に戻す計画を打ち出した。

 その計画は、成長を促す税制改革から始まる。(所得税の)すべての税率を引き下げ、世界で最高水準の法人税率を引き下げる。連邦政府の規制で、15年だけで2兆ドル(約230兆円)以上の余計なコストを米国経済に負わせている。大統領は、撤廃すべき規制の特定を指示している。

 ■国防 ミサイル防衛進化

 米軍を再建し、退役軍人の世話に全力を尽くす。米国を防衛するため、他国が軍事力で優位に立つことを許さず、最高の軍事的即応能力を追求する。

 防衛予算の一律削減を終わらせ、米軍再建計画に沿った予算案を提出する。イランや北朝鮮からのミサイル攻撃から国を守るため、最新鋭のミサイル防衛システムを進化させる。

 新たな戦闘空間となっているサイバー戦争では、我が国の安全保障上の秘密とシステムを守るため、あらゆる手段をとる。この分野で、最も聡明(そうめい)な米国人を採用する。

 ■移民 メキシコ国境に壁

 安全な社会に住むことは国民の基本的な権利だ。警察力を強化し、国民を守る警察官の任務遂行を支援する。暴力的な犯罪を減らすことを約束する。我々は、(武器所有の権利を認める)憲法修正2条を支持する。

 トランプ大統領は不法移民やギャング、暴力、麻薬が社会に流入するのを止めるため、(メキシコとの)国境に壁を建設することを約束する。暴力犯罪歴のある不法外国人は強制送還する。

 全ての米国人のために、とりわけ長い間、安全な地域社会というものを知らずにきた人々の安全のために闘う。

 ■貿易 NAFTA再交渉

 米国民はあまりに長い間、ワシントンのエリートの利益を重視した貿易協定を強いられてきた。その結果、労働者の町では工場が閉鎖され、賃金の高い雇用は外国に移った。強固で公平な貿易協定で、国際貿易を経済成長や雇用の回復に生かせる。

 この戦略は、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱と、新たに結ぶ貿易協定が米国の労働者のためになることを確認することから始まる。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉にも取り組む。加盟国が交渉に応じなければ、NAFTAから離脱する意向を通告する。



(社説)トランプ政権 内向き超大国を憂う
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759479.html

 この日から「米国第一」のみがビジョンになる――。

 就任演説でのこんな宣言とともに、米国でトランプ政権が発足した。

 おおむねツイッターなどを通じて発せられてきた内容であり、想定の範囲内だった。そう冷静に受け止められたようだ。

 しかし、世界最強の超大国のトップに就任後、最初のメッセージである。「貿易、税金、移民、外交問題に関するすべての決定は、米国の労働者や米国民の利益になるものにする」「防御が大いなる繁栄と強さをもたらす」。自国優先と内向き志向の言葉の数々に、改めて驚きと懸念を禁じ得ない。

 通商分野では早速、転換を打ち出した。日米など12カ国で合意済みの環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、メキシコやカナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)では再交渉を求めるとホワイトハウスのホームページで公表した。

 世界貿易機関(WTO)を舞台にした自由化論議が暗礁に乗り上げるなか、取り組みを再起動する役割が期待されたTPPの発効は、完全に見通せなくなった。NAFTAの見直しも、トランプ氏が標的とするメキシコに動揺が広がれば、日系を含む自動車メーカーなど立地産業への悪影響が予想される。

 トランプ氏は「すべての国々が、自己の国益を第一に考える権利がある」と強調する。

 その通りだろう。しかし、それぞれが目先の利益を追って対立するのではなく、協調しつつ人やモノ、カネの行き来を自由にしていけば、経済が発展して得られる富は大きくなる。第2次大戦後、当の米国が主導して築いてきた様々なルールを通じ、そのことを追求してきたのではなかったのか。

 貿易や為替をめぐる著しい不均衡は、それ自体が持続的な成長への妨げになる。修正することは必要だが、その作業は協調を土台とした冷静な交渉を通じて進めるべきだ。

 一方的に要求をぶつけても何の解決にもならず、貿易戦争のような不毛な対立を招くだけだろう。ましてや米国は圧倒的な経済大国である。力ずくで他国をねじ伏せるような姿勢をとれば、その弊害は計り知れない。

 自由な市場が米国に投資を呼び込み、雇用を生んできた。活力の一翼を担ってきたのは移民だ。開かれた国であることが米国の魅力であり、強さである。

 トランプ氏はそのことに早く思いを致してほしい。日本を含む各国も、粘り強く米国に説いていく必要がある。



(声)トランプ大統領就任式の現場で
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759481.html

 経営コンサルタント 齊藤紀夫(愛知県 70)

 トランプ新大統領の就任式を見るため、米国のワシントンDCに来ています。

 トランプ氏は就任式で「米国第一」「米国での消費財は米国で生産する」「米国人の生命も国境も守る」などと演説しました。大統領としてはあまりにも威厳に欠けると感じました。

 トランプ支持派の感情は鼓舞したかもしれません。しかし、全国民の魂まで奮い立たせたとは思えません。周りも拍手する人は少数でした。「彼が我々の大統領で本当にいいのだろうか。我々は正しい選択をしたのだろうか」と言う人もいました。

 就任式後、ホワイトハウス近くの「反トランプデモ」も見ました。参加者に「いまさら遅いのではないですか」と聞いてみました。返ってきた答えは「彼のように不満をあおるだけでは米国は変わらない。節度・良識・品格を持った国であると我々が世界に知らせなければならない」。

 この言葉に米国民の良識を感じながらも、トランプ支持派との分断の深刻さも感じた一日でした。



(21)(声)国のトップに持ってほしい心
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759482.html

 無職 和泉まさ江(神奈川県 52)

 米国の俳優メリル・ストリープさんが、名指しは避けながらもトランプ氏を批判した。大統領選で障害のある記者のまねをしたことについてだ。「公の職に就こうとする人がこのような屈辱を与えれば、他の人にも広がっていく」。大統領がやれば国民もまねをすると、はっきり警告する姿に心が震えた。

 10年以上も前のことを思い出した。女友達が子どもを保育園に連れて行く途中、信号の青が点滅し始めた。彼女はとっさに子どもを抱え、道を渡ろうとした。遅刻寸前だったから。保育園も会社も。でも、彼女は踏みとどまった。点滅する青信号で渡ることを子どもが覚え、まねしてしまうと恐れたから。

 「幼いようでも子どもはちゃんとみている。親がやれば、やって良いと覚え、まねる」。遅刻した昼休み、彼女はポツリと話してくれた。

 母が子を前に、点滅する信号で立ち止まるような心を、上に立つ人、特に国のトップに立つ人には、米国に限らず持ってもらいたいなと思う。自分の言動、行動が周りにどんな影響を及ぼすか。屈辱を、軽蔑を、暴力を招かないか。配慮してほしいと願う。



(22)(声)お互いの尊重が大事なのに
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759483.html

 中学生 國松佑衣(滋賀県 13)

 アメリカ大統領に就任したトランプ氏。トランプ氏は選挙中からアメリカ第一主義を語り、12日の会見でも、日本と中国とメキシコを名指しして批判しているのをニュースで見た。

 果たしてそれでいいのだろうか。今までのアメリカは、世界の平和を願い、世界中がよりよい道を歩むためにがんばってきたのではないだろうか。

 私は「アメリカだけが良ければいい」という考えには反対だ。世界中が良くなるように、国同士が協力していかないといけないと思う。他の国の立場も考えて意見を聞くことも大切だ。

 トランプ氏のいう「アメリカが良くなること」も大事だ。でも、世界中が良くなることはもっと大事だ。名指しして批判すれば、国々が敵対し合う世界になってしまう。国々は団結してテロなどの問題に取り組むべきなのに。

 私の願う未来とは、みんなの笑顔があふれる平和な世界になること。そのためにも、みんなが思いやりの気持ちを持って、お互いを尊重し合って未来に向かっていきたい。



(23)35面 「米国第一」トランプ政権、揺れる日本
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759549.html

 米国のトランプ新大統領は、就任初日から次々と「公約」を実行に移した。あからさまな「米国第一」と、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱表明。日本の農業は、自動車産業は、安全保障はどうなるのか。国内各地で、懸念や注文の声が上がった。

 ■農業・車

 「僕らにプラスになるとは思えない」。トランプ政権のTPP離脱宣言について、岡山県吉備中央町の和牛農家、孝本真二さん(38)はそう話す。

 雌牛60頭を家族で飼い、子牛を出荷しているが、「米国第一主義」を掲げるトランプ氏が輸入圧力を強めそうな気がしている。すでに国内に流通する牛肉の6割は米国、オーストラリアなどからの輸入だ。「政府には米国の言いなりにならず、ある程度ブレーキをかけてほしい」

 トランプ氏が大統領就任前にやり玉に挙げた日本の自動車業界にも、不安は広がる。トヨタ自動車の米国の工場に出向中の30代の男性社員は、「世論が『メイド・イン・USA』の製品を買う雰囲気になって、日本の車が売れなくなってしまわないか」と心配する。

 メキシコの新工場建設を批判された同社だが、米国内では郊外に工場が多くあり、その恩恵を受ける街もあるという。「不買運動などで状況が悪化したら、僕たち日本人は帰国すればいいが、現地採用の人たちはどうやって生活していくのか心配だ」

 名古屋市北区の中日技研工業は、トヨタ自動車の下請け企業などの工場で使われている金属製チューブを製造する。従業員20人の町工場。上岡睦社長(46)は、トランプ政権の保護主義的な政策で「取引先に影響が出るのでは」と不安がる。「米国第一主義」で輸出が盛んな大手企業がダメージを受け、自分の会社にも影響が及ぶことを懸念する。

 (西江拓矢、高岡佐也子、増田勇介)

 ■核・少数者

 核軍縮や基地、少数者の権利といった課題に、トランプ氏は演説で触れなかった。だが、これまでの言動から不安に思う人がいる。

 「選挙期間中のキャンペーンの繰り返し。何も変わっていない」。広島県福山市の英会話教師、仁城(にんじょう)マギーさん(44)は嘆く。

 シカゴ出身の米国籍で、日本人の夫がいる。2009年に来日し、広島市の原爆ドームや広島平和記念資料館に何度も足を運んだ。昨年5月のオバマ氏の広島訪問に感動した。しかし、トランプ氏は「核能力を大いに強化する」とツイッターで発信した。「幼い頃、旧ソ連との軍拡競争におびえていたのを思い出す」

 昨年10月まで5年間日本に住んでいた米在住の村上ポーラさん(55)は20日夜、都内で行われたオバマ政権支持者らのデモ行進で、「性的少数者に権利を」と書かれたプラカードを持って歩いた。次男(23)が同性愛者だ。保守地盤と言われるバージニア州の大学に進んだ次男は「人間として扱ってもらえなかった」という。「トランプ氏は性的少数者に批判的。米国全体に不寛容な空気ができるのではないかと心配だ」

 ■沖縄

 米軍基地が集中する沖縄の人々の気持ちは複雑だ。

 米軍普天間飛行場のある宜野湾市出身の大学生、元山仁士郎さん(25)は「実業家のトランプ氏がコストを重視して海外の基地政策を変えるのでは」と期待する。「地元が反対する沖縄に基地をこれだけ置くことは、米国にとって経済コストだけでなく、政治的なコストも高いことを理解してもらいたい」

 一方、普天間飛行場の県内移設を容認する自営業、前森一夫さん(49)は「やっと動き出した普天間の閉鎖が遅れるようなことはしないでほしい」と願う。

 (根津弥、牛尾梓、吉田拓史)

 ■「それでも私の大統領」 日本に住む米民主党員、尽きぬ不安

 「歴史に残るポピュリスト(大衆迎合主義者)の演説だった」。トランプ新大統領の就任演説を埼玉県の自宅で見た大学研究員オリバー・カープさん(47)はそんな印象を抱いた。「それでも、新大統領の前途を祝福したい」と、自らに言い聞かせるように話した。

 米東部フィラデルフィア出身。ユダヤ系の父と黒人の母は、黒人差別撤廃にとりくむ公民権運動で出会い、結ばれた。両親も自身も民主党員。大学院生の時には、黒人の同党首長選候補のスタッフを務めた。

 自分と同じく黒人と白人の両親をもち、「一つのアメリカ」を掲げるオバマ氏の大統領就任は「本当にエキサイティングだった」。

 それから8年。一転して人種差別的な発言をする大統領が生まれた。「米国第一主義」を前面に出した就任演説に「当選したのになぜ『選挙演説』のような話をするのか。大統領として不安だからではないか」と思った。「ひどい状態を立て直せるのは私だけと言わんばかりの主張も心配。これからどうなるのか怖い」

 気がかりは、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しだ。日本人の妻と長女(2)と日本に暮らし、国民皆保険制度のありがたさを痛感している。「オバマが成し遂げた少しの進歩を後戻りさせてはいけない」

 メディア批判、バブル時代さながらの日本たたき……。過激な言動に不安は尽きない。でも「彼は私の大統領。それが現実。米国を傷つけず、日本と良好な関係を保ち続けてほしい」。

 (伊東和貴)



(24)【余滴】10面 (社説)施政方針演説 未来を拓くと言うなら 《同日、日本の現状批判》
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759476.html

 「未来を拓(ひら)く。これは、すべての国会議員の責任です」

 通常国会が開幕し、安倍首相が施政方針演説でそう訴えた。

 一人ひとりの議員が「未来」を思い、議論し、合意形成をはかる。それはあるべき姿だ。だが演説を聞く限り、首相の本気度には大きな疑問符がつく。

 たとえば沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題である。「最高裁判決に従い、名護市辺野古沖への移設工事を進める」「必要なことは、実行だ。結果を出すことだ」と言い切った。

 一方で、たび重なる選挙で示された沖縄県民の「辺野古移設反対」の民意や、県との対話をどう進めるかについてはまったく語らなかった。

 沖縄の未来をつくる主人公は沖縄に住む人々だ。その当たり前のことが、首相の演説からは抜け落ちている。

 1千兆円を超えて膨らみ続ける日本の借金残高。演説は税収増を誇る一方で、2020年度に基礎的財政収支を黒字化するとの目標をどう実現するかの道筋などには触れなかった。

 穴が開いたままの社会保障の財源をどう確保するのか。そこへの言及も薄い。国の借金を放置すれば、ツケは未来の世代に回る。いつまでも避けては通れない現役世代の負担の議論を、演説は避けてしまった。

 「意見の違いはあっても、真摯(しんし)かつ建設的な議論をたたかわせ、結果を出していこう」

 首相は演説で、民進党など野党にそう呼びかけた。

 だが先の臨時国会での安倍政権のふるまいは違った。

 首相は「私が述べたことをまったくご理解いただいていないようであれば、こんな議論を何時間やっても同じ」と言い、与党は採決強行を繰り返した。

 少数派の異論や批判に耳を傾け、よりよい合意をめざす。それこそが「建設的な議論」の名にふさわしい。一定の審議時間が積み上がったからと、数の力で自らの案を押し通すやり方を「建設的」とは言わない。

 首相は演説で、旧民主党政権時代の失敗を当てこするなど民進党への挑発を重ねた。建設的な議論を呼びかけるのにふさわしい態度とは思えない。

 トランプ米大統領の就任で、国際社会が揺れる中での国会である。天皇陛下の退位に関する法整備や、「テロ等準備罪」を新設する法案など、丁寧な合意形成が求められる法案が焦点となる国会でもある。

 演説を言葉だけに終わらせず、未来に向けた「建設的な議論」を実現する。その大きな責任は首相自身にある。



(25)【余滴】10面 「声」100年、投稿を募集
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S12759486.html

 朝日新聞の読者投稿欄「声」は前身を含めて今年100年を迎えます。1917(大正6)年2月、東京本社版で読者投稿の掲載が始まりました。戦中戦後の混乱期も途切れることなく読者のみなさまの投稿を載せ続け、100年にわたってさまざまな意見を発信し、世相を反映してきました。

 「声」100年にあたり、投稿を募集します。心に残る投稿などの思い出、今後への期待、投稿の決意などをお寄せください。2月5日付で特集を予定しているほか、その後も随時掲載します。

 実名原則。二重投稿やネットに掲載のもの、メールの添付ファイルは不可です。原稿は返却しません。趣旨を変えずに手を入れる場合があります。採否の問い合わせはご遠慮ください。

 550字以内。住所、氏名、年齢、電話番号(携帯も)を明記して下さい。

 ■投稿先 〒104・8661

    東京・晴海郵便局私書箱300号
      朝日新聞「声」

    FAX 0570・013579
    TEL 03・3248・0355
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